1本の紙帯との出会い。
2000年の夏のある日。仕事でお邪魔した画材メーカーの倉庫で見つけた紙の切りくず。それがラファエルアートとの出合いでした。紙は製紙メーカーから問屋に卸され販売店へと運ばれるのですが、工場から出荷された紙は規格よりも多少大きめに漉かれています。ロール状の大きな長い紙を 全紙サイズという一番大きなサイズに切り分けて、更にA4、B5などのJIS規格寸法に切り揃えます。それでも多少の誤差が残ったり直角が出ていない場合 があるので四隅を数ミリずつカットするのです。その時に出るのが右のような細い紙の切りくずです。
初めて目にした光景にすっかり目を奪われ、暫く切りくずを見つめていたら社員さんが笑いながら幾らでも差し上げるから持って行きなさいと言われました。ま るで宝物を貰ったような気分でアトリエに戻り色々な工夫をして実験してみました。そしてついに自分のイラストを紙帯で装飾する技法を見つけだしたのです。
もちろんそれ以降は紙メーカーにお願いしてオリジナルの紙帯を断裁してもらっています。現在ラファエルアートで使用している紙帯の色数は50色以上です。
細い紙の帯を使うアートは、後で調べるとそれは400年もの歴史のある「クイリング」と云う手法にそっくりでした。しかし クイリングと姿形は似ていますが、ラファエルアートは使う道具も手法もクイリングとは違う「香川かづあき発案のオリジナル手法」です。
ラファエルアートに使用する紙は、紙帯、台紙ともマーメイド紙を使用しています。マーメイド紙は100色近い色数で書籍の装丁、クラフト用紙として幅広く使われているファンシーペーパーと呼ばれているジャンルの洋紙です。紙帯と呼んでいる5ミリ幅の紙は赤澤紙業様のご協力のもとラファエルアートオリジナル製品として、キットとセットで販売しています。
ラファエルアートとは?
ペーパークリエーター香川かづあき発案の 「イラストのラインの上に5mm幅の紙の帯を立てて接着する」 新しいペーパークラフト技法です。紙の特性を最大に活かしたしなやかな曲線と シャープなエッジを自由自在に操るテクニックが生みだす独自の立体感により、 光と影を味方につけてより深く豊かな表現を可能にしました。ラファエルアートは鑑賞するだけではなく イラストのラインをなぞるというアートワークを通して自分自身でアートを体感することができ、その課程では精密な作業の中で心地よい緊張感を維持し、自分だけの時間や世界を作り出します。ワークを終えて完成した作品を前にした時の充実感はとても素晴らしいものです.。 優しい色合いのハートフルなラファエルアートの作品には、 全ての人の心の奥深くに愛と平和を暖かな波紋として広げ満たしたいという思いが込められています。

